アップセル・クロスセルとは?施策から成功させるポイントまで解説

アップセル・クロスセルとは、既存の顧客に対して顧客単価向上を図るマーケティング・営業施策ですが、それぞれアプローチ方法や仕掛けるタイミングは異なります。
今回の記事は、アップセルとクロスセルについて、それぞれの説明や具体的な実践手法、成功させるポイントなどについて解説します。

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アップセルとは何か

アップセルとは、現在購入している商品やサービスよりも上位モデルの商品(高価格・高付加価値・高機能など)を購入するように提案する営業手法です。

<施策例>

  • 検討中の携帯電話やパソコンをよりハイスペックな商品へ誘導する
  • ホテルの部屋やフライト座席のアップグレード
  • システムの契約アカウント数を10から15に引き上げる

クロスセルとは何か

クロスセルとは、現在購入している商品と合わせて関連商品・サービスも提案する、いわば「セット販売」を促す営業手法です。

<施策例>

  • スポーツシューズとウェアなどの関連商品をレコメンド
  • 不動産の賃貸契約と鍵交換サービスのセット
  • WEBサイト制作支援の中で、WEB広告などを併せて提案する

アップセルとクロスセルの違い

なぜアップセル・クロスセルを実施するのか

顧客数を増やせば売上も当然上がるという考え方が主流だった時代は、多くの企業が新規顧客の開拓に重きを置いて戦略を立てました。しかし近年では、少子高齢化により新規顧客開拓が難化している影響で、従来の営業活動以上に「顧客単価」「LTV(顧客生涯価値)」「カスタマーサクセス」への注目がますます高まっています。

また、SaaSをはじめとするサブスクリプション型のビジネスモデルは、既存顧客の継続利用率(LTVの向上)が利益の拡大や事業の成長に繋がります。このようにカスタマーサクセスの一環として、BtoB領域でもよくアップセル・クロスセルが取り上げられるようになってきています。

カスタマーサクセスについて詳しく知りたい方はこちら
https://smati.salesrobotics.co.jp/detail60.html

アップセル・クロスセルの具体的な施策

アップセルの手段

アップセルを成功させるためには、顧客に「よりグレードが高いものを選んだほうが、結果的にお得になる」と感じてもらうことが大切です。そのためには、より上位の商品やサービスに興味を持ってもらうためのきっかけが必要となります。

アップセルには様々な手段があるため、自社の商品やサービス、業界の特性に合った手段で取り組み、効果検証を繰り返してみましょう。
具体的な手段は以下の通りです。

■アップセルの例

  • お試し版・無料デモ期間の提供
  • 上位モデル購入に対する割引、キャンペーン
  • 上位モデル限定のサービスを提供
  • 上位モデルを使用することで全体的なコスト削減につながると提案 など

クロスセルの手段

クロスセルを実現するためには、「どうせ必要になるから一緒に買っておいたほうが良い/安い」「より効果を出すには一緒に購入したほうが良い」と思ってもらえるきっかけが必要です。つまり、顧客の課題を解決するためのオプションを提案することです。
一般的には、「関連商品の提案」と「補完的な商品・サービスの提案」の2種類に分けることができます。

■クロスセルの例

  • まとめ買いのキャンペーン
  • 関連商品/周辺商品のおすすめ、セット販売
  • 顧客の課題を解決するためのオプションの提供 など

顧客の課題を解決するためのオプション例は、メンテナンスプラン、コンサルティングプランなどが挙げられます。営業代行会社の場合、インサイドセールスの代行を依頼されていたお客様に対して、フィールドセールスの代行まで一気通貫で紹介する、などがその一例です。

アップセル・クロスセル実施のポイント

「ごり押し」にならないように、常に顧客視点から考える

アップセル・クロスセル施策の実施目的に、在庫を処分したいといった売り手の都合から無理な提案をしてしまうケースがあります。しかし、顧客からすると今より価格の高い商品・サービスを購入するメリットや購入後の利用シーンをイメージできなければ、購入しようと思いません。

アップセル・クロスセルの成功率を高める最も重要なポイントは、顧客がどのようなことを“お得”だと感じるのか、商品の利用シーンにおいてどのようなプラスアルファが喜ばれるのかという、顧客視点に立った発想をすることです。
これらを顧客に分かりやすく提示することで、WIN-WINの関係を築く可能性が高まります。

特にサブスクリプション型のビジネスモデルでは、既存顧客との信頼性や関係性が重要とされているため、信頼関係を壊しやすい「ごり押し」営業をせずに、常に顧客視点から企画・提案を考えることが大事です。

実施する対象を見分ける

アップセル・クロスセルの施策を成功させるには、実施対象を見極める必要もあります。特に、「ロイヤリティの高い顧客」の方が成功割合は高く、優先的にアプローチしていくべきです。
ロイヤリティが高い顧客とは、自社の商材やサービスに対して信頼や愛着を感じている顧客、いわゆる「ファン」のことです。顧客ロイヤリティが高いほど、こちらからの提案を聞いてもらいやすくなるため、提案が成功しやすくなるのです。

顧客ロイヤリティを見極めるには、顧客にアンケート調査を実施し、満足度などを調べたりする方法があります。アップセル・クロスセルを実施するときには、顧客のセグメントをしっかりと行った上で、ターゲットを選定することがポイントです。

顧客ニーズに応じて商品の価値を上げる

月次の定例会など、顧客との密なコミュニケーションを通じて、商品の魅力や改善ポイントを把握することが大事です。
よりニーズに応えたサービス改善を行うと、顧客満足度の向上につながり、顧客ロイヤルティを高めることができます。顧客が「ちょうど今欲しいと思っている」商品・サービスを提供することで、結果的に、アップセル・クロスセルの成功率が高まります。

アップセル・クロスセルの成功事例

アップセルの成功例「オンラインストレージ」

オンラインストレージサービスを提供しているDropbox社は、企業規模に応じてサービス内容と価格プランを分けています。個人向けのプランは2GBまで無料とし、サービスを利用している既存顧客の残りストレージが少なくなったタイミングで、より大容量のプランへ誘導する(アップセル)メッセージを送っています。

また、既存ユーザーが知人(新規ユーザー)を招待すると、ストレージが増えるキャンペーンも開催し、アップセルと同時並行して新規顧客の獲得も展開しています。

クロスセルの成功例「CRM、MA」

元々CRMツールからスタートしたSalesforce社は、営業活動を手助けする関連するプロダクトとしてSFAやMAツールも提供してます。CRMは顧客管理のためのツールですが、根底となる目的は顧客との適切なコミュニケーションを通じて売り上げを最大化することにあり、SFA(営業支援システム)やMA(マーケティング・オートメーション)とも共通するものです。

CRMを利用して営業・マーケティング活動の最適化を進めていくと、SFAやMAツールが必然的に必要になってきます。同社のプロダクトに統一するとデータ連携が容易になり、価格の抑制にもつながるメリットから、クロスセル戦略を行っています。

まとめ

アップセルもクロスセルも、顧客単価を上げるための営業手法です。新規顧客が難化している昨今、既存顧客に向けた施策として多くの企業に活用されています。「常に顧客視点から考える」「実施する対象を見分ける」「顧客ニーズに応じて商品の価値を上げる」の3つのポイントを押えて、ぜひ実際に挑戦してみましょう。

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Written by...スマタイ編集部

スマタイの記事を制作している編集部です。
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