インサイドセールス立ち上げるための5ステップ【事例あり】

近年、BtoB企業の働き方に変化が求められるようになり、インサイドセールスを自社で導入し運用することを検討する企業が増えています。
本コラムでは、インサイドセールスを導入して売上を伸ばしていきたい企業に向けて、インサイドセールス組織を自社で立ち上げる際に必要な5ステップについてご紹介いたします。

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インサイドセールスとは

インサイドセールスとは、非対面の手段で見込み顧客へ情報提供や情報収集などを行なう、いわゆる内勤営業を指します。一般的には、マーケティングやインサイドセールス自身で獲得した見込み顧客の興味関心を醸成し、確度の高い状態でフィールドセールスに引き渡す部分を担当します。これまで営業部が行っていた仕事を分業化することで、それぞれの機能の最適化に繋がります。

◇インサイドセールスの基礎知識についてはこちら
【2022最新版】インサイドセールスとは?基礎知識やメリット・特徴・役割を解説します!

昨今、新規開拓の重要性の高まりや営業組織におけるDX化、テレワークの推進などを理由に、社内にインサイドセールスを導入する企業が増加しています。
一方で、インサイドセールスの導入を検討しつつ、自社での立ち上げにはハードルの高さを感じている企業も少なくないでしょう。

実は、あるポイントをしっかり抑えておけば成果の出るインサイドセールスを社内で構築することが可能です。本コラムではその5つのステップについてご紹介いたします。

STEP1 目的と役割を明確に

実際に組織を構築する前に重要となる最初のステップです。この手順に抜かりがあると、実際の活動にブレが生じます。最悪なケースだとインサイドセールスチームがテレアポ部隊と化してしまうので注意してください。

自社の課題を把握した上でインサイドセールスの目的を明確に

初めに自社の営業組織における課題を把握しましょう。目標に対して進捗が鈍くなっている原因として「一体どこで根詰まりが起きているのか」「何を改善する必要があるのか」を整理することにより、インサイドセールスを立ち上げる目的(何をするための組織なのか)を明確にします。
目的を明確にした後は、全体の業務設計へ進む前に、インサイドセールスで取り組む商材も決めておきます。商材によってインサイドセールスの組み込み方やアプローチ方法も変わります。

営業プロセスの全体設計を基にインサイドセールスの役割を決める

目的や取り組む商材が明確になったところで、その目的達成のためにインサイドセールスが担う役割を決めていきましょう。
基本的なインサイドセールスの運用としては、マーケティング部門とフィールドセールスの橋渡しを行い、見込み顧客の興味関心を高め、見込みの高い商談を創出する役割を担います。単なるアポイントの量産ではなく、受注に繋がるような商談をうみ出すべく、工夫して見込み顧客とコミュニケーションを取ります。そうして見込み顧客を見極めながら、確度が高まった段階でフィールドセールスに引き渡す動きが特徴です。
また、インサイドセールスチームの役割を決める際、忘れてはいけないのが営業プロセスの全体設計です。例えば、マーケティング部門との業務の線引きやフィールドセールスにトスアップする条件などの擦り合わせが必要です。

上記をふまえて、自社のインサイドセールスチームの目的に応じた最適な役割を設定しましょう。

STEP2 シナリオ設計

インサイドセールスの目的と役割が明確になったら、実際にアプローチを行うシナリオを設計します。

アプローチ対象を決める

まずはアプローチ対象となるターゲットの属性を決めていきます。手当たり次第のアプローチでは本末転倒です。例えば、展示会やセミナー開催後の「イベント参加者」、Webサイトに資料やコンテンツを用意している場合は「資料ダウンロードした見込み顧客」など具体的に設定していきます。前述のような集客・Webマーケティング活動を行っていない場合は、見込み顧客を獲得するためのコンテンツや手段を検討することから始めましょう。

運用ルールを明確化する

運用していく上でルール化しておきたいのが、営業プロセスにおける見込み顧客のフェーズ管理です。見込み顧客の状態や商談の進捗状況などを可視化し、それぞれに適したアクションを起こせる状態にしておきます。各フェーズでは、見込み顧客の行動状況やインサイドセールスがヒアリングすべき情報をもとに、見込み顧客の状態を定義しましょう。また、それぞれのフェーズに条件を設定する事で、各フェーズの担当者が次のフェーズに進める為にはどのようなアクションを起こせばよいかが明確になります。

「いつ」「何」を情報提供するか考える

いつ(情報提供するタイミング)

見込み顧客の状態や行動状況をふまえてアクションを起こすタイミングを決めましょう。

何を(情報提供する内容)

それぞれの見込み顧客に対してどのような情報提供が効果的か考えましょう。具体例として、「お役立ち情報をまとめたコラム」「サービス導入の最新事例」「セミナー情報の案内」などがあります。

上記2点を決めた上で、インサイドセールスが電話でアプローチする際に活用するトークスクリプトを作成します。作成の際は、対象の見込み顧客が「どのフェーズに該当するのか」「フィールドセールスに引き渡すべきなのか」を判断することができるよう、ヒアリングする情報を洗い出した上で会話の進め方を意識しましょう。
ただし、ヒアリングの数が多すぎては相手に不信感を与えてしまう可能性があります。また、いきなりの商材説明やアポイントの打診を急いでしまう場合も、信頼関係を築くことは難しいでしょう。なぜなら、電話をかけたタイミングで全ての見込み顧客にニーズがあるとは限らないためです。

◇トークスクリプトの作り方についてはこちら
【インサイドセールス内製化に欠かせない】 ~ナーチャリングのためのトークスクリプトとは~

STEP3 立ち上げ時のKPI設定

次のステップでは、「立ち上げ段階」におけるKPIの設定について解説します。

インサイドセールスの主なKPIの例

一般的に使用されるインサイドセールスのKPIには、「受注件数」「商談化率」「活動量」などがあります。ただし、量を追うと質が下がり、質を求めると量の担保が難しくなるジレンマがあります。
そこで、自社商材・サービスの特性を考慮しながら、どのような戦略を打ち出していくべきか、現在一番優先順位の高いものは何かを検討し、量と質の2つをバランスよくKPIとして設定することが重要です。

KPIを設定する上で注意すべきポイント

どのような成果を目的とするかによってKPIの設定方法も変わりますが、重要なポイントは、最終的な成果を得るまでの過程にある数値もKPIとして設定することです。
例えば、新規顧客の開拓に向けてアポイント数の増加を目的に活動する場合、単純にアポイント数のみを追うのではなく、アポイントに至るまでの段階もKPIの項目として設定します。手前にあるリードの件数はもちろん、リードの獲得までにキーマンとなる担当者とのコンタクト率なども含めます。

また、初めに設定したKPIもその時の状況に応じて適宜見直しする必要があるでしょう。インサイドセールスチームのメンバーが熟練してきたら少しレベルを上げたKPI項目を置いたり、自社のビジネスモデルや外部環境の変化に伴ってKPIを更新することで、インサイドセールス活動をブラッシュアップします。

◇インサイドセールス担当者のKPIとモチベーション維持についてはこちら
インサイドセールスとKPI ~人事評価編~

STEP4 担当者の確保・教育

一通りの運用設計が済みましたら、インサイドセールスチームの担当者を確保しましょう。

立ち上げは少人数で始める

立ち上げ初期の段階では、少人数でのチーム形成がおすすめです。理由は以下の通りです。

  • ・初めは成果があがりにくい事が想定される
    ・フィールドセールスから商談についてフィードバックを受けやすい
    ・一人一人の裁量が多いことでモチベーションが上がりやすい

インサイドセールス人材の確保

チームを管理するマネージャーと、実際にインサイドセールス活動を行う担当者をそれぞれ確保しましょう。手段としては、社内の人材を起用するか新たに人材を採用するかの二択が一般的ですが、チームの担う役割や目指す方向性をふまえて適切な人材を採用しましょう。
例えば、インサイドセールスの段階でプレクロージングまで行うのであれば、見込み顧客とのやりとり中に商材についてかなり話し込む事が想定されます。その場合、貴社の商材を熟知している人材が適任でしょう。新たにインサイドセールスの経験者を外部から起用するより、自社の営業メンバーから人事異動などして配置する方が成果が出やすいと考えられます。

上記以外で人材確保のルートをあげるとすれば、アウトソーシング(外部委託)という方法があります。社内人材のみでチーム編成が難しい場合、初動では立ち上げのスピードも早いアウトソーシングを併用されるケースも増えてきています。

◇インサイドセールス人材の教育・育成についてはこちら
インサイドセールスの人事事情 適正のある人材の採用・育成方法とは

STEP5 ツールの選定・導入

最後のステップとして、運用においてデータの管理などを行うツールを選定します。
インサイドセールスでは日々の活動ログや見込み顧客のデータの記録と管理が特に重要です。なぜなら、見込み顧客とコミュニケーションを取る中でヒアリングした情報を蓄積し、データとして管理・分析することで、その後のアプローチ方法や戦略を計画していくことができるためです。

また、業務を分業化しているため、活動ログをオープンな状態で記録して各部門との連携を図る必要があるためです。ツールを活用して各部門がスムーズに情報連携できる環境を整えることで、営業プロセス一連の流れにおける見込み顧客のデータを横串で把握できます。
従って、情報を正確に記録して分析に活用できるツールや、他部門との連携が可能なツールなど、様々な要素をふまえて自社に最適なツールを検討していきましょう。

ツールを使わずに運用する場合、属人的な管理方法では情報がブラックボックス化してしまう恐れがあります。そうすると、見込み顧客が受注に至るまでの行動ログが正しく記録できず、ましてや各部門で情報が分断されている状態になり、インサイドセールスの導入や分業化に期待するメリットが得られない可能性があります。

インサイドセールス活動においてよく使われているツールは以下のものです。

インサイドセールス立ち上げの成功・失敗事例

ここではインサイドセールスを社内で立ち上げた企業の事例をご紹介します。

失敗例①:新規開拓型インサイドセールスの場合

新規事業を開始するなどのタイミングでは、見込み顧客リストがないもしくは殆どない状態です。新規開拓型インサイドセールスの場合、見込み顧客を新しく創出するところからはじまります。
ITサービスを手がけるA社では、新サービスのリリースから1年、紹介営業やWEBマーケティング営業が頭打ちになりました。そこでアウトバウンドでの新規見込み顧客の獲得を目的に、社内でインサイドセールスを立ち上げました。
ところが、新規見込み顧客の開拓に向けてインサイドセールスが毎月2,000件の企業リストに電話をしたにも関わらず、成果となるアポイント件数はたった14件(取得率0.7%)でした。このアポイント取得率の低さの裏には、一体どのような失敗要因があるのでしょうか。

・失敗要因:ニーズの少ないところにターゲット設定してしまった
実は、A社はこれまでの実績からベンチャー系IT企業をターゲットにしていたものの、本来はニーズが少ないマーケットだったのです。これまでの実績はトップダウンの紹介営業からたまたま受注に繋がっていた企業が多いだけでした。

A社から学ぶ失敗ポイント「ターゲット設計を誤ると成果につながらない」

特に新規開拓においてインサイドセールスを導入し、受注を増やすためには、まずベースとなるターゲットの見極め・設定が必要不可欠です。
ターゲット設定はピラミッド型の底辺に位置し、その上に、リード獲得→アポ獲得→商談と繋がっていきます。A社の事例のようにアプローチすべき顧客を誤ると失敗しやすいため、予め適性なターゲット設計を行うことが重要です。

失敗例②:顧客醸成型インサイドセールスの場合

広告代理店B社では、すでに営業活動は十分行っており、見込み顧客リストも保有していました。しかし、従来の営業手法である営業パーソンによる新規開拓~受注までをワンストップで行う体制を取っていたため、慢性的なリソース不足がずっと続いていました。そこで営業パーソンの業務負担を軽減させる目的でインサイドセールスを導入しました。
導入の結果、社内では慣れない分業化が大混乱を招き、むしろ営業パーソンの業務が増えてしまう事態となりました。このことがあり、一時的に売上の低下にまで繋がる事態となってしまいました。B社の立ち上げ方にはどのような失敗要因があったのでしょうか。

・失敗要因:営業とインサイドセールスとの役割分担があいまいだった
見切り発車の分業化で、営業自身が明確な役割分担を把握していないことから、中途半端な電話営業を行なってしまいました。結局、フィールドセールスのはずの担当者がインサイドセールスのフォローに回るはめになってしまったのです。

B社から学ぶ失敗ポイント「準備フェーズを軽んじると失敗する」

インサイドセールスを成功に導くためには、「業務オペレーション・人材・管理」すべての面で、運用フェーズだけでなく、準備フェーズも含めた両方の計画をしっかりと立て、制度化・ルール化しておくことが重要です。
これは顧客醸成型に限った話ではありません。準備の段階では、目的の設定・業務プロセスの設計をきちんと行う必要があります。目的を明確に定め、営業プロセスを洗い出した上で業務プロセスを設計することが欠かせません。
また、適正な人材を選定してアサインすることも必要です。各プロセス業務に適正な人材をアサインし、運用する上での業務オペレーション・人員評価制度・管理法を定めておくことが必要でしょう。

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成功事例:新規開拓型インサイドセールスチームの立ち上げ

インターネットサービス開発を行うC社では、新規サービスの販促活動の手段としてインサイドセールスチームの立ち上げに踏み切ることにしました。しかし、当時のC社では社内のリソースやノウハウとしても十分ではない状況でした。また、若い市場のため「誰に対して、どんなコミュケーションをすべきか」が明確になっていないという課題もありました。

そこでC社は、リソースを補強するためインサイドセールスに特化した営業支援会社のサービスの活用を始めました。社内リソースと外部リソースを組み合わせ、役割分担をして立ち上げる方法を選択したのです。
結果として、スピード感のある立ち上げと適正な業務設計を行うことができ、質の高いアポイントの獲得ができる体制を作り上げました。このインサイドセールスの活動によって、営業が質の高い提案活動を行なう事にも繋がっています。

また、自社チームは立ち上げたばかりでしたが、営業支援会社のトークを参考に、ヒアリング情報の多いアポイントを獲得するためのノウハウも取得することに成功しました。

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【事例あり】インサイドセールスは内製化するべきか外注するべきか

まとめ

本コラムでは、社内にインサイドセールスチームを立ち上げるための5つのステップをご紹介しました。
常に進化や成果を求められる営業組織において、インサイドセールスの重要性は今後ますます高まることが予想されます。
成果を上げられるインサイドセールスを導入するためには、初期段階にポイントを抑えた入念な準備がカギとなります。立ち上げる目的を軸に、営業組織全体で(各部門と連携しながら)目的達成に向けたチーム作りを意識しましょう。

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Written by...スマタイ編集部

スマタイの記事を制作している編集部です。
不定期でマーケティング、インサイドセールス、営業支援に関する最新の情報を発信していきます。

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